タロットカードは、22枚の「大アルカナ」と56枚の「小アルカナ」で形成されます。
そのなかでも一番初めに登場する“愚者”のカードは大変魅力に満ちたカードであり、多くの場合、吉兆として解釈されることが多いものです。
カード外観
愚者のカード絵は、タロットの主流であるウェイト版では、切り立った崖に向かって、リボンのついた帽子をかぶった青年が楽しげに進み、そのそばには白い犬が、これもまた楽しそうに続いている、という絵になっています。
青年の荷物は杖の先に一つだけで、身軽な旅の様です。青年の表情は、どこか夢見るようなものにも見えます。
全体に楽しそうな空気が伝わってきます。
それでは“愚者”がどういった意味を持っているのか、具体的に紐解いていきましょう。
愚者キーワード
ポジティブな意味
自由・開始・新たなる出発・身軽さ
ネガティブな意味
リスク・軽率さ・無鉄砲
正位置で導かれた場合
- 恐れずに行動することが吉
- 事前にあれこれと考えてしまうよりも、とにかく行動することで道が開ける
- 身軽に出発することが吉
- 自由な心、自由な発想を大事に
- 良い意味での子供っぽさ
- 手放してやり直すと良い
- ポジティブ
など。
逆位置で導かれた場合
- 謙虚さが必要。
- 無思慮な発言、無神経な言動は控えたほうがよい
- 先に進むには、危険がある状態かもしれない
- 無鉄砲さがピンチを引き寄せる
- 人の忠告に耳を傾けていない、人の忠告に耳を傾けよ
- 子供っぽさがマイナスに働く
- 未熟
など。
カード解説
・0番のカード
注目すべきは“愚者”のカード番号です。
タロットには合わせて78枚のカードが存在し、大アルカナにはそれぞれ0~21番の番号がふってあります。
その中で、この“愚者”は一番最初のカードであり、1番ではなく、「0番」という数字が付けられています。
※タロットによっては「22番」になっているものもあります。
「0番」
これは新しい始まり、幸福が始まっていくと解釈することもできるでしょう。
ゼロが象徴する何もなさは、新しさ、身軽さを象徴するものでもあります。
白い犬
愚者を象徴する青年に随伴しているように見える白い犬は、青年を助けるような存在にも見えます。
白という色は、純粋さと誠実さを表し、この犬が青年に忠実で、時に助けてくれることも示唆しています。
崖
青年が向かっているのは、危険、リスクを象徴する崖の先です。
基本的にはポジティブな愚者のカードですが、気を付けないと崖から落ちてしまうのかもしれません。