タロットカードの大アルカナ22枚の基本的な意味を解説│前編0番~9番

広げた本の上に花が添えられている写真

人気の占いツールである、タロットカード。
ライダー・ウェイト版のタロットカードは、各カードに象徴的な絵が描かれており、他のタロットと比べると意味を覚えやすいのが特徴です。
今回は、このライダー・ウェイト版の大アルカナ22枚の意味を一気に解説。
前編では「0番 愚者」から「9番 隠者」について、キーワードとともに図に描かれた象徴の意味も読み解きます。
この記事を読むことで、自分でも簡単にタロットで占えますよ。
タロットを始めたばかり、占いに興味がある、という人はぜひチェックしてくださいね!

「10番 運命の輪」~「21番 世界」の解説はこちら!

大アルカナとは?

タロットカードは全部で78枚あり、22枚の大アルカナと56枚の小アルカナから構成されます。
22枚の大アルカナに描かれているのは、一人の若者がさまざまな体験を通して成長する物語です。
実際に、この大アルカナだけをセットにしたカードも販売されています。

22枚だけなら比較的簡単に意味を覚えられるため、占い初心者の方は、まずこの大アルカナのみを使用して占うことがおすすめです。
そして、大アルカナに慣れてから小アルカナを取り入れると良いでしょう。
小アルカナは具体的な状況を表すため、タロットでより詳細に深く占いたい時に役立ちます。

正位置と逆位置の違いは?

タロットにはカードが正しい向きで出た場合の「正位置」と、カードが逆さまに出た場合の「逆位置」があります。
正位置はカードの基本的な意味を表す一方で、逆位置は正位置の意味が偏った状態を示唆。

正位置の意味が偏った状態とは、正位置の意味が行き過ぎた状態や、足りない状態のことです。
正位置と逆位置の意味を全て暗記する必要はなく、正位置の基本的な意味を押さえておけばOK。

逆位置が出た時には、カードへの質問内容や他のカードとの組み合わせを加味して、正位置の行き過ぎか足りない状態かのどちらかで読みましょう。

大アルカナの意味を一気に解説!0番 愚者~9番 隠者

大アルカナ22枚のうち、「0番 愚者」~「9番 隠者」の意味を解説します。
気になるカードの項目をチェックしてください。

0:愚者(The Fool)

愚者のタロットカード

正位置:自由、無邪気、無限大の可能性
逆位置:無謀、無計画、方向性が見えてくる、無計画な状態から道筋が見えてくる

一人の若者がこれから旅に出ようとしています。
しかし、目の前は断崖絶壁。
忠誠心の象徴である犬が、「この先は危ない」と忠告しています。

さらに、若者の姿に注目すると、旅に出るにしては服装が簡易的で荷物も少ないのがわかりますね。
これから始まる旅路は無限大の可能性がある一方で、前途多難な様子を表します。

愚者のカードは、自由であることのメリットとデメリットを教えてくれるでしょう。

1:魔術師(The Magician)

魔術師のタロットカード

正位置:始まり、準備万端、コミュニケーション
逆位置:準備不足、頭でっかち、考えすぎから抜け出す

机の上には、四大元素を表すワンド(火)・ペンタクル(地)・ソード(風)・カップ(水)が置かれています。
四大元素はこの世の万物を表し、それらが机にそろっているということは、準備がしっかりと整った状態で物事をスタートさせるという暗示です。

魔術師のカードが出た時には、準備万端の状態で新しいスタートを切れる、と解釈できます。

2:女教皇(The High Priestess)

女教皇のタロットカード

正位置:直感、受動性、学び
逆位置:神経質、強いこだわり、潔癖、周りの状況を取り入れる

ベールをまとった女性が、こちらを真っすぐに見つめる絵柄です。
その表情は固く、真面目そうな雰囲気を漂わせています。
手元にあるのは、ベールで半分が隠されたユダヤの書「TORA(トーラ)」です。
この構図には、「人は宇宙の真理を容易には理解できない」という意味が込められています。

また、彼女の後ろには二本の柱が立ち、闇を表すヤキン(Jachin)と、光を表すボアズ(Boaz)それぞれのイニシャルが書かれていますね。
二本の柱は二元論を表し、その先には聖域が広がっていることを示唆。
また、背後のザクロと足元の三日月は女性性を表すとされます。

女教皇のカードは「女司祭(おんなしさい)」とも呼び、表からは見えない内面的な部分を表し、知恵や深層心理、精神的なこだわりとして解釈できるでしょう。
また、女帝よりも若い女性像を表すこともあるようです。

3:女帝(The Empress)

女帝のタロットカード

正位置:愛情、豊かな実り、生み出す、女性性
逆位置:依存、感情的、理性的に捉えられるようになる

図の中央に座るのは、豪華な衣装を身にまとった女性。
彼女は皇帝から寵愛を受ける女帝であり、その身の回りには皇帝からのさまざまな贈り物が置かれています。
さらに、彼女がゆったりした服を着ているため、皇帝との子どもを妊娠しているという説もあるのです。

また、周辺には豊かな穂が実っていることから、愛情を受け取り満たされる女性像がイメージされます。

女帝のカードは、豊かな愛情や、収穫、成長の象徴です。
このカードが出た場合は、愛情を与えたり受け取ったり、愛のやり取りを暗示すると言えるでしょう。

4:皇帝(The Emperor)

皇帝のタロットカード

正位置:能動的、リーダーシップ、理性的、男性性
逆位置:強引、パワハラ、リーダーシップが発揮できない、相手にリードを渡す

図の中央には、皇帝が硬い石の椅子に座る様子が描かれています。
石の椅子には12星座の牡羊座のマークがあり、この牡羊座が象徴するのは、行動力や積極性です。

そして、皇帝は国のトップであり、大勢の国民を統率する役割を持ちます。
そして、4という数字は理性や安定の象徴です。

つまり、皇帝として国を治めるためには、簡単には揺るがない強い意志や理性的な判断力が必要だと言えます。

皇帝のカードは、積極的な行動力や、理性的な判断力の重要性を教えてくれるでしょう。

5:法王(The Hierophant)

法王のタロットカード

正位置:信頼、組織(コミュニティ)、メンター、世間体
逆位置:信頼に欠ける、組織から抜け出す、メンターに依存する

法王が信者に向かって、信仰を伝道する様子が描かれています。
法王の役割とは、思想や知恵を通じて人々を導くこと。
そのため、困った時に頼れる存在、指導者的な立場にある人物を示唆。

法王の冠は三重になっており、3という数字はキリスト教の三位一体を表します。
三位一体は、父と子と精霊の三者が一体であること、つまり協調性や組織を暗示

また、3は1・2の段階を踏んだ上での結果を表す数字のため、例えばAさんの考えとBさんの考えを合わせた、コミュニティ全体の思想を表すとも捉えられるでしょう。

また、足元には金と銀のカギがあり、神の世界への扉を開けるためのものだとされます。

法王のカードは「教皇」とも呼び、組織に属することや、メンターに師事すること、誰か第三者に頼ることなどを表すのです。

6:恋人たち(TheLovers)

恋人たちのタロットカード

正位置:人間関係による恩恵、楽しい関係、両思い
逆位置:人間関係による恩恵が期待できない、軽薄な関係、三角関係

図の左右には、裸の男女が立っています。
この男女の目線に注目してみてください。
女性の方は空に浮かぶ天使に目を向ける一方で、男性の方は女性の肉体に目線を送っているように見えませんか?
これは、男女それぞれの視点の違いを表します。

また、中央にいるのは大天使ラファエルという説があり、男女二人の仲を取り持つように存在していますね。
タロットの起源であるマルセイユ版では、このラファエルがクピド(キューピッド)として描かれており、男女関係を暗示していたようです。

恋人たちのカードは人々の交流を象徴し、対人関係がもたらす喜びや交流の楽しみを表します。
恋人たちのカードが出た時には、対人関係において何か嬉しいことが起きる、と解釈できるでしょう。

7:戦車(The Chariot)

戦車のタロットカード

正位置:前進、積極性、独走
逆位置:暴走、コントロールが効かない、分別なく突っ走る

この図は王子が生まれ育った城を出発する様子とも、王子の凱旋パレードの様子とも言われています。
白と黒のスフィンクスが乗り物を引いていますが、異なる色の2匹のスフィンクスをコントロールするのは容易ではなく、一歩間違えば暴走しかねません。

また、7という数字には集中や没頭、探求といった意味があるため、目標に向かって集中的にエネルギーを注ぐ性質が伺えます。

戦車のカードは、しっかりと手綱を握り、コントロールしながら前進することの大切さを教えてくれるでしょう。

8:力(Strenght)

力のタロットカード

正位置:忍耐力、根気、強い意志
逆位置:忍耐力に欠ける、根気がない、弱い意志

白い服を着た乙女が、素手で猛獣のライオンの口を押さえる様子が描かれています。
一方でライオンは舌を出して尾っぽを下げ、乙女に甘えているようです。

ライオンは本能の象徴ですが、本能にあらがうことは大変な労力を必要とするでしょう。これは、乙女が猛獣が表す本能を、力ずくではなく精神力や根気で手なずけているのです。

力のカードは、いくら困難なことでも、忍耐力や精神力によりコントロールが可能だと伝えています。
それは決して簡単ではないかもしれませんが、その意志の強ささえあれば、物事を動かすことができる、という教えなのです。

9:隠者(The Hermit)

隠者のタロットカード

正位置:内省、熟考、思慮深い
逆位置:視野が狭い、考えが浅い、外部の考えを取り入れる

山頂にたたずむ老人の姿が描かれています。
彼が着用したローブや背景の灰色が意味するのは、中立。
手に持つ長いワンド(棒)がしっかりと大地に着いていることから、落ち着きのある雰囲気が漂っています。

そして、この世界には老人以外の人物や動物がいないため、孤独や自分の内側に集中することを示唆。
さらに、彼が老人であることから、この山に到達するまでにさまざまな経験を得たことが伺えるため、深い知識や知恵も意味します。

隠者は、物事をじっくりと考えたり、腰を据えて探求したり、自分の内側に注目するカードです。

大アルカナの意味をサクッとつかんで、セルフ占いを楽しもう

タロットカードの大アルカナ0番~9番までの意味を見てきました。
自分でカードを引いた時の、解釈の参考に役立ててください。
この記事が、タロット占いを楽しむ上でのお手伝いになれば幸いです。

「10番 運命の輪」~「21番 世界」の解説はこちら!

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香丹(かたん)
タロット・西洋占星術・数秘術・風水を得意とする、占い師・ライター。物事をとことん追求する蠍座太陽。幼少の頃からオカルトや神秘的なものに惹かれてきた。日々占いの実践と研究に取り組んでいる。恋愛・結婚を中心としたメール鑑定は、優しくて内容がわかりやすいと定評がある。