タロットカードは、世界で広く愛される占いツールの一つです。
特に、ライダー・ウェイト版のタロットカードは、物語が絵に描かれているため、初心者にも使いやすいと言えます。
この記事では、大アルカナ22枚のライダー・ウェイト版タロットカードの意味を解説。
今回の後編では「10番 運命の輪」から「21番 世界」のカードに焦点を当て、各カードのキーワードや、図の象徴の意味も含めてご紹介します。
この記事を読むことで、自分で引いたカードの意味を理解したり、占い師に占ってもらった後に「あのカードの意味は何だろう?」という疑問を解決するヒントが得られるでしょう。
占いに興味がある方や、タロットの初心者の方はぜひご覧ください。
大アルカナの意味を解説!10番 運命の輪~21番 世界
大アルカナ22枚のうち、「10番 運命の輪」~「21番 世界」の意味について解説します。
気になるカードの項目を選び、内容を確認してみてください。
10:運命の輪(Wheel of Fortune)
正位置:チャンスの到来、トントン拍子に進む、タイミングが巡ってくる
逆位置:チャンスを逃す、タイミングが合わない、テンポがかみ合わない、偶然に期待しない
図の中央にあるのは、大きな車輪です。
車輪の外円の4つのアルファベット文字を時計回りに読むと「TARO」であり、「TAROT(タロット)」を表すとされます。
反時計回りに読むと「TORA」。
これは女教皇に描かれたユダヤの書の文字と同じです。
車輪の周囲にいるのは、スフィンクスやアヌビス神、蛇。
これらの象徴をまとめると、輪廻転生の意味があるとされます。
そして、図の四隅には天使や動物の姿が見られます。
四隅の生物は、それぞれが不動宮に属する四大元素の星座(牡牛座・獅子座・蠍座・水瓶座)です。
不動宮は、一度動き出したらそれを継続させる性質を持ちます。
また、図には人間がいないことから、人間にはどうしようもない力が働いていることも暗示しているのです。
運命の上がり下がりは自然の働き。
つまり、運命の流れとは、人間の力の及ばないものであり、その流れを変えることは叶わないと教えています。
運命の輪のカードは、丁度良いチャンスの訪れや、タイミングが巡ってきたことを知らせてくれるでしょう。
11:正義(Justice)
正位置:公正な判断、両立、中立
逆位置:偏見、偏った判断、他者の考えを取り入れる
図の中央にいるのは、赤い服を着た人物です。
この人物は中性的な雰囲気があることから、中立を暗示。
さらに、赤色は意欲や情熱を表すため、中立という意味をより強めています。
また、右手で真っすぐに掲げられた剣は、決断力を示唆。
左手に持つ天秤は公平性を表し、バランスよく物事を見ることの大切さを表します。
正義のカードの意味は、偏った視点を手放すことで得られる公正な視点や、公平な判断です。
何かを判断する時には、感情に流されず、理性を優先させすぎず、バランスの良い見方をすることが求められるでしょう。
12:吊るされた男(The Hanged Man)
正位置:自己犠牲、試練、耐え忍んだ先に報いがある
逆位置:報われない自己犠牲、やせ我慢、骨折り損
大きな木に、男性が逆さまに吊るされています。
一見すると苦しそうな体勢ですが、男性の顔は恍惚としているのがわかるでしょう。
つまり、この状況は何らかの罰として与えられたのではなく、自ら望んで縛られていると解釈できるのです。
そして、このカードを逆さまにし、男性の頭が上部に来るようにして見てみてください。
まるで男性が踊っているように見えませんか?
視点を変えると、このつらい状況の先には報いが期待できる、とも捉えられるのです。
吊るされた男のカードは、動きづらい状況ではあるものの、その苦しみの先に報いがあることを暗示します。
また、逆さ吊りの状態は、視点を変えることの重要性も示唆しているのです。
13:死神(Death)
正位置:停止、リセット、物事の終わり
逆位置:再生、現状維持、終わるべき物事が終わらない
死を告げる死神の周辺に、さまざまな人々が描かれています。
死神に対して、乙女は目を背け、皇帝は倒れ込み、法王は正面から向かい合い、子どもは特に恐れる素振りはしていないようです。
これは、どんなことにも終わりがやってくる一方で、その終わりが、受け取る人によって意味が異なることを教えています。
死神のカードは、物事の終わるべき時を告げているようです。
終わりによる苦楽の行方については、状況次第だと言えるでしょう。
14:節制(Temperance)
正位置:安定、調和、異なるもの同士が混ざり合う
逆位置:不安定、安定した状況に変化が起こる、物事が動き出す
天使が2つの杯の中の水を繰り返し入れ替えています。
その表情は穏やかでありながら、片足を水面に付けており、この体勢で水を操ることは至難の業であることも伺えるでしょう。
杯の水を入れ替えることは「物事が変化する」状況を示しますが、それを繰り返すことで、「安定的に変化している」とも言えるのです。
例えばお店に代々伝わる秘伝のたれは、減った分だけ新しいたれを継ぎ足しますよね。
古いたれに新しいたれが混ざるという変化が起こりつつ、「秘伝のたれ」というものは安定的に存在しているのです。
節制のカードは、異なる物同士が混じり合うことや、安定した状況を表します。
15:悪魔(The Devil)
正位置:欲望、誘惑、嫉妬
逆位置:誘惑から逃れる、欲望から抜け出す、悪い考えから抜け出す
図の中央にはヤギの角とコウモリのつばさを持つ悪魔がおり、その手前左右には鎖でつながれた男女がいます。
悪魔の頭上にある逆さまの五芒星の象意は、堕落です。
男女の外見は、悪魔のように角や尻尾が生えており、悪魔と同化していると解釈できます。
男女を縛る鎖は緩いため、その気になれば逃れることができそうですが、彼らはそうしません。
なぜなら、この縛られた状態が心地良いからです。
悪魔のカードは、甘い誘惑や、わかっていてもなかなかやめられない悪い癖を表します。
16:塔(The Tower)
正位置:衝撃、崩壊、価値観が大きく変わる
逆位置:小さな変化、価値観の変容
塔の頭上には雷が落ち、王冠が傾いています。
王冠は権力の象徴です。
これは、経験や価値観など積み重ねてきたものがあっても、それが突然崩れ去る可能性があることを教えています。
そして、窓からは火の手が上がり、男女が転落。
その様子が誰から見ても明らかなことから、隠し事の露呈を暗示することもあるのです。
塔のカードは、これまで築いてきた価値観や状況に関して、全く新しく生まれ変わることや、崩壊すること、根底から覆すような出来事を暗示するでしょう。
17:星(The Star)
正位置:夢、理想、希望、浮足立つ
逆位置:失望、夢の見すぎ、地に足が着いてくる
空には8つの八芒星がキラキラと輝き、吉兆を暗示。
そして、大地で裸の女性が池と大地に水を注いでいます。
裸は純粋無垢、大地は現実、水は潜在意識の象徴です。
よく見ると、女性の足は池の水の中に入っておらず、水面に留まっています。
これは、現実と潜在意識が分かれており、まだ内面に湧きあがったアイデアが現実化していないことを表すのです。
星のカードは、希望にあふれることや、輝かしい夢を見ることを示唆します。
希望の持てる状況や、夢見心地な心境などを表すこともあるでしょう。
とはいえ、内面に注目したカードですので、その希望が現実化するかどうかについてはまだわからないと言えます。
18:月(The Moon)
正位置:迷い、不安定、幻想、猜疑心、優柔不断
逆位置:迷いが晴れる、真実が明るみに出る、道筋が見えてくる
物憂げな表情の月と、ざわめく動物たちを描いたカードです。
月は満月や半月、三日月など、どの形にも見えるため、物事が不安定や不透明であることを示唆。
また、水の象徴は潜在意識ですが、その水の中からザリガニが顔を出し、波紋が広がっています。
これは潜在的な不安が表面化する暗示。
さらに、犬と狼が不安を感じ取り、吠えている様子も伺えます。
図の中に人物がいないため、自分でコントロールしづらい感情や状況を示唆するとも言われているのです。
月のカードは、迷いや不安に揺れる心情や、状況が読めないと解釈できるでしょう。
19:太陽(The Sun)
正位置:成功、成長、祝福、大きな喜び
逆位置:ゆっくりと成長する、成功までに時間がかかる、わがまま
空には大きな太陽が描かれ、陽のエネルギーを強く発していることが伺えます。
さらに、裸の子どもが無邪気な様子で白い馬にまたがっており、特に馬を怖がる様子はありません。
また、ひまわりの数は、子どもが付けた冠の6つと背後に咲く4つを合わせると、合計10つ。
10という数字は完全や完了を象徴するため、物事の完成を示唆します。
太陽のカードは、物事が成就することや、喜ばしい状況を表すのです。
20:審判(Judgement)
正位置:奇跡、復活、再会、想像以上のチャンス
逆位置:奇跡は起こらない、チャンスが来たのに準備不足
大天使ガブリエルがニガヨモギのラッパを吹き、ひつぎから死者が蘇るシーンが描かれています。
このシーンの由来は新約聖書「黙示録」。
死者が蘇ることは信じがたい奇跡であり、思いもよらないチャンスだと言えます。
また、ラッパを吹いた時に発生する音は直接的に人々の体に響くでしょう。
それほどに影響力が大きいことを暗示します。
審判のカードが象徴するのは、思いも寄らないチャンスや待ち望んでいた再会です。
同時に、ラッパが吹かれたことで、まだ準備が整っていない段階でチャンスがやってくる、という面も示唆します。
21:世界(The World)
正位置:完成、完了、成就、卒業
逆位置:未完成、完成まで一歩足りない、中途半端
中心にいる裸の人物は、完全体を表す両性具有だと言われています。
さらに、図の四隅に描かれているのは、四大元素を表すライオン、牛、天使、ワシです。
四大元素はこの世の万物の象徴であり、四大元素がそろうことは完全性を暗示。
また、これらの4つの存在は10番の運命の輪の四聖獣が成長し、21番の世界で完全体となった姿だとも言われます。
世界のカードの意味は、物事が完成を迎えることや、完璧な状態であることです。
完成とは、物事の終わりのことを指しますが、同時に新しい始まりも示唆します。
大アルカナの意味を調べて、自分でも占ってみよう!
大アルカナの意味一覧をご紹介してきました。
カードの解釈をする時の参考にしてみてくださいね。
この記事により、あなたがタロットの意味を落とし込むサポートができれば嬉しく思います。